ニュースリリース

株主総会及び懇談会で出た質問に関連する弊社の経営方針のご説明

【2016年05月31日】

先般の株主総会および懇談会で出たご質問に関連して、ここであらためて弊社の方針を掲載します。

赤字にしてでも一気に開発投資をやらない理由

しばらく会社を大赤字にして多額の開発投資を行えば、開発ペースが上がるのは確かです。しかし、それを安易にやると、万年赤字で一体いつ黒字になるかわからないギャンブル銘柄になります。実績で黒字成長を続けることに比べて、口先で「いつか黒字になるから待っててください」と言うのは簡単です。下手すると、ぬるま湯につかるように経営が甘くなり、安易に赤字に逃げこむ癖がついてしまいます。
私は、ギャンブルは一切しません。競馬、競輪、競艇、パチンコ、一生で一度もやったことはありません。宝クジさえも一枚も買ったことはありません。安易なギャンブル経営にならないように、難しいことではありますが、弊社はあくまで黒字成長ができる範囲内に投資を限定することを方針にしています。
今後、いつか勝負時が訪れ、一時的に赤字にしてでも大きな賭けにでないといけない局面が来るかもしれませんが、その時には株主の皆様に説明を尽くしたうえで行ないます。今はまだ黒字成長にこだわります。

反カリスマ

急成長ベンチャーは、トップがカリスマで、求心力が強い、会社全体が宗教団体のような一枚岩になっている場合がほとんどです。しかし、私はその逆を目指しています。反カリスマの哲学です。
カリスマ的な経営は攻める時は強力なパワーを発揮しますが、同時にとても大きな危うさをはらみます。トップが何か一つ間違った判断を行えば、それを抑止する力が働かず、会社全体が墜落の方向にまっしぐらになります。
弊社では役職は権威ではなく、単なる機能であるという考え方を徹底しています。社員が全員トップの方を向く求心力ではなく、逆にトップを無視する遠心力を目指しています。もちろん職制上の機能としての業務指示は遵守しますが、それ以上の不要な権威は持ちません。
私は自分の権威的存在感をいかに消すかに努力しています。弊社では私に対して、お歳暮、年賀状、誕生日プレゼントをくれることはありません。お茶一杯いれてもくれません。なんなら通りがけに一言の挨拶もなく無視して通り過ぎていきます。ちょっと寂しい時もありますが、それは私が望む理想の姿です。
その結果、社員は社内政治やゴマスリはもとよりトップや上司の顔色を伺うことなく、自分の顧客や業務にのみ意識が集中しています。

株主との関係

会社のビジョンに共鳴し、会社の成長を願ってくださる長期株主は、経営陣に匹敵する重要なパートナーです。単に株を持ってもらうだけではなく、共に一緒に会社の将来を創っていくパートナーとして、しっかり意見を聞き、とことん議論する、心の通う関係でいたいです。
IRは単に短期的な株価対策ではなく、「会社の長期的成長を共創するための誠意としてのIR(IR as Good Faith for Long-Term Co-Creation)」でありたいと考えています。
これは形式的な題目であってはなりません。うまくいってる間に、共に夢を追いましょうと謳うのは簡単なことです。真価は会社が逆境になった時に問われます。たとえば、仮に万が一、会社が株主の期待に添えない状況に陥り、値付かずのストップ安が連日で続く状況になった場合にどうするか。私は、倒産しない程度のキャッシュを残して、余剰資金をすべて自社株買いにまわすべきだと思います。今後の再起に向けて手元に資金を残すのが経営としては正しい論理でしょうが、私は株主をそこまで犠牲にしてまで会社の利益を守っても嬉しくありません。株主の自己責任だから会社には補填する義務はないとか、そういう法的なセコい問題ではありません。法より大切な人間の理として、株主の犠牲のうえに会社が成り立つようなことは、あってはならないと思います。株主に期待をもたせ夢を共有してもらって得た資金です。期待に添えなかったのならば、共に痛みを分かち合うのが筋です。たとえその結果、一からの再出発になろうとも、会社を信じて将来を託したパートナーと運命を共にします。

内部統制とコンプライアンスについて

最近、日本を代表するような大企業でも不祥事が起こり、その社長は個人として袋叩きになりますが、私にはそういう人たちが例外的に悪人だとは思えません。もっと一般的に、コンプライアンスや内部統制の書類作成とかが形式基準過ぎて、本質剥離を起こしているからだと思います。どんなに書類を充実させても、本質的な組織風土が変わらなければ何の意味もないのです。 私の思う本質とは

①役職は、権威ではなく機能に徹する

上司にゴマをする風景があったら、その時点でアウトです。弊社では、求心力ではなく遠心力を目指しています。前述のとおり、私は社員にお世辞どころか、お歳暮も年賀状も、いや、お茶一つ入れてもらったことがありません。なんなら通りすがっても挨拶もしてくれません。みんなトップには興味がありません。たまに寂しくなることもありますが我慢しています。

②トップの無制限な人事裁量権と主観的な人事考課をなくす

いくら建前で公平だと言っても、上司に人事考課と処遇決定権があれば、実質的に従わざるをえません。だから弊社では、すべてが事前に明文化された客観的ルールでのみによって社員の待遇は決まるしくみにしています。トップでさえ、社員ひとりの給料も自由に決めることはできません。不自由を感じることもありますが、自分で自分を縛っています。

③ 情報開示と説明責任は社内から

通常、情報開示と説明責任は会社から外部に対してのみが求められますが、そもそも社内で徹底されてなければ、社外にできるわけがありません。
だから弊社では、対面の会議やメールによる議論を禁じ、個人情報や機密情報を除いて、すべての議論を社内公開の掲示板で行ない、すべての決定プロセスを記録に残しています。かなり面倒くさいのですが、結果としては、この方が効率的でもあります。

④ 行為の善悪に迷った時の判断基準は、白昼堂々とみんなの前でできるか

法を遵守するといっても、法律は多岐に細部に渡り、全社員が全条文を知るのは無理です。弊社では、自らの行為の善悪に迷った時は、社内の全員の目の前で、それが堂々とできるか?を基準にしています。
たとえば、部下への言動がいじめじゃないかと問われれば、上司は必ず正当な指導だと言います。私は、「そしたら掲示板で皆が見てる前でできますか?」と問います。それができなれば、正当というのは嘘だし、堂々とできるならそれで構いません。

⑤ そもそも高い業績予想を出さない

会計系の不祥事でいえば、これが最も根源的な元凶です。
株価を上げるために高い計画を出す。うまくいかないとなると、株主からの攻撃を恐れ、現場に理不尽で問答無用な要求を押しつける。それでもダメなら、ついには会計をいじくる。それがお決まりのパターンではないでしょうか?
最初から低すぎるくらいの計画さえ出しておけば、そんな地獄には陥らないで済みます。
たとえ、それが減益計画だとしても、株主からの袋叩きを甘んじて受ける覚悟で腹をくくって出すべきだと考えます。

以上、世間一般のコンプライアンスや内部統制の書類作成には出てこないことばかりですが、これらこそが本質だと思います。
本質が変わらなければ、内部統制書類を何万枚作ろうとも解決しないと考えます。

株式分割について

最近多くいただく質問です。懇談会でも、「買いたくても高すぎて買えない」とか、なかには「(買える水準になるように)株価が大きく下がるのを望んでる」と いう、嬉しいのか悲しいのかわからないくらいショッキングなご意見もありました。個人株主の方が買いにくい状況になっていることについては認識しております。具体的にいつのタイミングで行うかはまだ申し上げられませんが、常に株式分割は視野に入っています。